みなさん、こんにちは!
僕は将来、アイアンマンレースを完走してやる!と決意し、そのための修行をしている40歳の市民ランナーのランチョと申します。
今日は「応援のチカラ」についてお話したいと思います。
いつも練習しているコースからパチリ✨
秋のあいさつ運動的な?
先日、バイクの練習を18kmほどやって、それからランを19kmほど走る練習をやりました。その、ランのほとんど終わり頃のこと。
おそらく、地元の小学生の下校時間だったのでしょう。ランドセルを背負った小学生たち幾人かを、ロードの左右に見かけたのです。僕はちょうど坂道をピッチ走法でちょこちょこと駆け上がっていたところでした。もうすぐ練習も終わりだな、みたいなことをなんとなく考えていた頃です。そしたらその小学生たちが
「こんにちはー!」と挨拶してくれたのです。
僕は少し驚きました。
僕が小学生だった昭和時代はどこでも誰にでも元気に挨拶をするというのが当たり前のことでした。しかし現代においてはそうではないと聞きます。誰にでも挨拶をするのはかえって危険なこともあるから、と。
確かにそういう時代かもしれません。昭和をちょびっとだけかじっている身としては少し寂しい気もしますが、時代は移り変わっていきます。僕たちの理想のために子どもたちを危険にさらすわけにはいきません。だから、道ですれ違う子どもたちがたとえ僕に一切挨拶をしてくれなくても、彼らにはまったく非はありませんし、僕もそれで仕方ないと思っています。
ところがこうして、何故かはわかりませんが、声をかけてもらえるとやっぱり、嬉しい気持ちになります。
だから僕も挨拶を返します。「こんにちはー!」
秋のあいさつ運動的な何か? それともまた、時代が変わりつつあるのか? 狐につままれたような気持ちで彼らの前を通り過ぎようとしたとの時、
「頑張ってくださーい!」と少年。
あまりにも不意打ちなド直球の応援。いやあ、これは刺さりましたよ。突き刺さりました。思いがけない応援に、アラフォー市民ランナーの心は一気に沸き上がりました。こんなに嬉しいことがあろうか。ただランニングしているだけなのに、まるでマラソン大会本番みたいなこの興奮、この高揚感。「ありがとうございまーす!」返す言葉も自然と敬語になります(笑)
ありがとう、小学生。
応援してくれる誰かがいるということ
もしもあなたがランニングを続けていきたいと思うなら、応援してくれる誰かを見つけるのがいいと僕は思います。家族、友人、職場の同僚、どこの誰でもいいんです。必ずいるはずです。走るあなたのことを応援してくれる誰かが。
ランナーは応援されやすい。人は走る人が好きです。走る人を応援するのが好きです。だから、あなたがもし走ればきっと、誰かがあなたを応援するでしょう。応援されると、一度されたらわかりますが、やめられません。誰かの応援はあなたにものすごいチカラを与えます。翼を与えてくれるという飲み物の何倍もです。
もしこれが信じられないというのであれば、一度マラソン大会に行ってみるといいでしょう。まだ走る勇気がないなら、一度走る人々を見てみるといいと思います。そして、誰でもいい、目の前を走るランナーに「頑張れー!」と声をかけてみてください。きっとあなたは感じるでしょう。ランナーとあなたの間に生まれる不思議な感覚。ポッと温かく、なんとなくくすぐったいような照れくさい、それでいてじんわりと沁み入るような喜び。
たった一言の言葉。人間が人間を応援するというその行為。そのチカラは絶大です。
応援してくれる人のおかげでここまでこれた♬
10月12日 ウィーンの奇跡
この秋、エリウド・キプチョゲ選手は人類初の偉業を達成しました。フルマラソンを1時間59分40秒で走りきったのです。ものすごい記録です。信じられない奇跡です。人類はこの日を境に、彼というランナーを先頭にして新しい時代へと突入しました。
この挑戦には、キプチョゲ選手の弛まぬ努力がベースにあります。しかし、彼自身の力以外にも多くの力が働いていました。例えば最高のシューズを作り出した科学の力とか。堅牢な陣形でキプチョゲ選手を誘導したペースメーカーやサポートチームの力とか。でも、偉大な記録に絶対不可欠であったもの、それは沿道の応援のチカラだったと僕は思います。
どんなに素晴らしい選手でも、親しい人や大切な人、沿道からの応援なしには勝てません。それくらいに、応援のチカラはすごいのです。少なくとも3年間、マラソンを続けてきた僕はそう信じています。僕が走り続けてこれたのは確実に間違いなく、応援してくれる人がいたからです。
ロードに溢れる不思議なエネルギー交換
「頑張れー!」という応援の声がランナーのチカラとなり、彼らを奮い立たせます。そして諦めずに走るランナーを見た人たちは彼らからチカラを受け取ります。そういう相乗効果というか好循環というか、そういうものが、マラソンのロードには溢れかえっています。ものすごいエネルギー交換が行われているんです。
ぜひあなたにもそれを感じてほしい。あの感動を味わって病みつきになってほしい。絶対にそれを知って後悔はしないと断言できるから、一歩踏み出してみてほしい。
今はランニングをはじめるのに最高の季節です。空気は澄み、草木は黄紅に染まり、空は青く美しい。冬も春も走るのは楽しいですが、僕はこのシーズンが一番ランニングに向いていると思います。
さあ、外に出てみませんか。ランニングは靴を履いて外に出るだけではじめられます。僕も最初は普段履いていたスニーカーで走っていました。それでも楽しめます。だから、あれこれ考えずにパーンと飛び出してみましょう。
ありがとう少年たち
少年たちのそばを通り過ぎ去るその瞬間に、少年は「あの人、すげーな」と言いました。その後に何と言っていたのかは聞き取れませんでしたが、そういう賞賛の言葉は本当に嬉しいですよね。
いや、もしかしたら少年は「あの人、すげーな。こんな平日の真っ昼間から走ってて暇なんかな?ニートかな?」なんて言っていたのかもしれませんけどね(笑)
それは秋晴れの気持ちいい日でした。少年たちのおかげで、彼らのほんのちょびっとの言葉のおかげで僕は、とても大きなチカラをもらえました。疲れも一気に吹っ飛びました。ありがとう、少年たち。君たちの応援でおじさんは、ものすごーく励まされました。本当に、ありがとう。